【債権者のプロフィール】
女性Iさん(職業:事務)
対象児:9歳(差し押さえ実行時)
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-養育費を請求した相手や当時の状況について教えてください。
Iさん:離婚当時、養育費請求調停にて養育費は月額5万円と取り決めしました。また、面会交流の取り決めも具体的にはしていなかったことや離婚してからすぐ転居したこともあり、直接会うことはほとんどありませんでした。最初の1〜2年は2ヶ月に1回くらいのペースではありましたが、相手の親から振込みで支払いがありました。養育費の支払いなどお金に関すること以外、子どもの様子などについては、連絡は取れていました。
-その後、未払いとなり養育費の強制執行をご自身で検討されたとのことですが詳しく教えてください。
Iさん:当時はコールセンターの仕事をしていましたが、耳の病気で退職せざるを得なくなり、療養していました。療養期間中少し時間ができたので、養育費の強制執行について自分で調べました。銀行口座の情報までは不明で、心当たりのある銀行、くらいしか情報がありませんでした。資料を集めて書類をいざ自分で書き込もうとすると、難しく、自分ではできないと断念しました。療養中は実家に住んでいましたが、半年程度でまた事務職を見つけて働き始め、実家も出ました。
-コニアスに相談してみていかがでしたか。
Iさん:強制執行について自分で調べた当時は、成功報酬で受けてくれる弁護士がいるとは知りませんでした。離婚相談で法テラスを利用した経験はありましたが、養育費に関しては着手金が払える目処もなく、弁護士へ相談したことはありませんでした。しばらくして、Twitterでたまたまコニアスを見つけました。
相手方の情報が乏しく、銀行口座や生命保険等、何も情報を押さえず離婚してしまったから、正直、期待はさほどしていませんでした。
ところが実際に頼んでみたら、これまでの支払い履歴など、細かく調べてくれて、いままでうろ覚えだった情報も整理できました。特に、相手方の現住所すら知らなかったのに、メールのやりとりだけで判明して、感動しました。
自分で書類を取り寄せてあれこれ調べるのは精神的にしんどいと感じていました。なんだか悪いことをしているようで…専門の方にお願いできるありがたみを感じました。
【実際の流れ~強制執行(銀行口座差し押さえ)へ~】
調査にて特定した相手方現住所管轄の地方裁判所へ、依頼人の心当たりのある銀行口座の差し押さえを試みました。しかし、申立て時点では、相手方名義の口座の存在が無くここで断念。差し押さえを取り下げ、一旦辞任へ。
-結果を聞いたとき、どんな心境でしたか。
Iさん:調停調書があっても強制力がないこと、強制執行しても本当に回収できるかは相手の資力次第、とわかってはいたので、そこまでの落胆はありませんでした。元々、申し込みした時点でも期待は大きくなかったので。
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その後、民事執行法の改正が決まり、再度、受任へ。財産開示の申し立てを行う予定です。
-法改正について聞いたとき、どんな心境でしたか。
Iさん:民事執行法の法改正は、弁護士事務所からのメールで知りました。正直なところ、強制力はどのくらいのものなのか、相手が拒否したらどうなるのか?期待はさほどしていません。本当は、マイナンバーがあるのだから、国は相手方の就業先もわかるはず。国が支払うべき養育費を回収してくれたら…
「きちんと取り決めた養育費が支払われない、怒りの向けどころもなく子育てと仕事の日々に追われる。別れた相手に養育費を催促するのはエネルギーを使うし、込み入った話で誰かに話すこともできなかった。」と当時を振り返るIさん。
Iさんの状況は、日本におけるひとり親の象徴的な事例かもしれません。
そして、法改正によって回収に成功した場合には、またこちらで報告いたします。